第60回 糖質制限とケトン体 うつ病やてんかん治療

うつ病

第32回のブログで穀物の中毒性について述べました。穀物の過剰摂取は、血糖値を乱高下させ、疲労感や感情の不安定をもたらし、集中力の低下や甘いものへの執着を引き起こすします。

それがうつ病のトリガーになります。

また、第37回のブログで述べたように、鉄不足は、脳のエネルギー産生をTCA回路ではなく効率の悪い嫌気的解糖に依存するしかなく、エネルギー不足を補うため、過度な糖質摂取が必要になります。

鉄はセロトニンやドーパミンといった脳の神経伝達物質合成に不可欠です。

これらの神経伝達物質の不具合こそが、うつの原因になります。

従って、うつ病の改善には、血糖値の乱高下を抑えるよう糖質制限が必要であり、また鉄不足があれば、血清鉄だけではなく、フェリチンの充足が必要になります。

 

2015年4月にJAMAに載った論文を紹介しましょう。

デンマーク人240万人以上を2007年〜13年まで追跡調査したものです。

糖尿病にかかると認知症になるリスクが20%高くなり、うつ病では83%、両方を併発していると117%高くなるとのことです。

両方併発している場合の認知症リスクは、糖尿病やうつ病を発症した時期が65歳未満の人では5倍近く高かったそうです。

てんかん

抗てんかん薬で効かない重度のてんかん患者さんにケトン食(ココナツオイル、ココナッツバター、低糖質のふすまパンは保険適応食)での治療が認められております。

むくみ

糖質過剰摂取の方は、体内に水分を貯留させるため、むくむことが多いようです。特に下肢に見られ、糖質制限でむくみが改善します。

偏頭痛

糖質制限によるケトン体産生によって、脳内の神経伝達物質の調節がなされ、ミトコンドリア内の活性酸素の軽減、代謝の改善により、偏頭痛が改善するといわれております。

脳波でα波の出現

ケトン体は、リラックス効果をもたらし、発想力、集中力、直感力を高めます。

学力向上

北九州市で塾をなさっている三島先生は、塾に通っている生徒さんに糖質制限を行ったところ、授業中の居眠りがなくなり、性格が穏やかになり、集中力と学力の向上をもたらしたことを「糖質制限で頭がいい子になる三島塾の子育て」で発表されました。

食欲を正常にリセット

ケトン体は、レプチン感受性を改善して食欲を正常にリセットします。(第12回のブログで紹介した一卵性双生児の実験で示した通り、糖質制限とココナッツオイルを与えられケトン体を生成した兄の方は、レプチン感受性を改善し食欲を正常にリセットできました)

アンチエイジング

ケトン体が長寿遺伝子(サーチュイン3)を活性化し、酸化ストレスを抑え、老化、癌化、動脈硬化の予防に働きます。

 

 

 

 

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