糖質制限とココナッツオイル、MCTオイルといった中鎖脂肪酸を摂り入れるとケトン体産生は加速
糖質制限により、エネルギー産生経路がブドウ糖-グリコーゲンシステムから脂肪酸-ケトン体システムに転換しますが、ココナッツオイル、MCTオイルといった中鎖脂肪酸を摂り入れることで後者の経路が更に加速されることは、第20回のブログで述べた通りです。
また、糖質制限の有無に関わりなく、絶食時や睡眠時を含め基礎代謝のおおもとを担う心臓や骨格筋のエネルギー源は、脂肪酸とケトン体です。
ところで、ケトン体とはなんでしょうか?
ケトン体とはケトン基を持つ化合物で、βヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、アセトンの総称です。βヒドロキシ酪酸はケトン基を持たないのですが、酸化還元反応でアセト酢酸に転換されるため、ケトン体として扱われるようです。
【ウィキペディアではケトン基を以下のように説明しています。】
「カルボニル基(カルボニルき、carbonyl group)は有機化学における置換基のひとつで、−C(=O)− と表される2価の官能基。アルデヒド、ケトン、カルボン酸とそこから誘導されるエステルやアミド、あるいはケテンなどに存在する。結合の相手は通常 2個の原子だが、ケテンや二酸化炭素など、1個の原子のみに結合する場合もある。ケトンのカルボニル基は特にケトン基と呼ぶこともある。」
なんだかよくわからないので飛ばしましょう。
ケトン体を測ってみよう!
さて、糖質制限を行うと、自分がケトン体質になっているかどうかが気になりますよね。ケトン体の値は尿と血液で調べることができます。
尿の方は試験紙の色の変化により10段階で判定します。ケトン体値が高いほど色が濃くなります。
血液で調べる場合はアボッドジャパンから出ているプレシジョンエクシードβ-ケトン測定電極を使ってください。これは血液中のβヒドロキシ酪酸の血中濃度を測るもので、自己血糖測定器で血糖値を測る要領で一滴の血液で済みます。
基準値は76μmol/L以下ですが、正常値というわけではありません。この値が高いほど、より多くのケトン体が出ていることを意味します。
糖質制限を始めケトン体質の入り口に入ると、ケトン体の血中濃度が500〜1000μmol/Lまで上昇し、健康を維持するためには1000〜5000μmol/Lの間を維持することが必要だと順天堂大学の平澤卓二先生は述べております。
(※スーパー糖質制限食とは、京都の高雄病院の江部先生が提唱される食事療法です。3食とも主食を抜き、1食の糖質摂取量を10〜20gに制限したものです。)
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