第20回 脂肪酸の話【その2】ココナッツオイルとMCTオイル

第14回のブログで、糖質制限をした時のケトン体生成について説明しましたが、脂肪酸が細胞質でアシルCoAになり、さらにミトコンドリアに入る時、通常はカルニチンの触媒作用が必要です。

しかし、コオナッツオイルやMCT(medium chain triglyceride)オイルに含まれる中鎖脂肪酸は、この触媒作用を必要とせず容易にミトコンドリアに入ることができ、β酸化を受けてアセチルCoAになります。

従って、糖質制限により体内の脂肪酸からケトン体が生成され、さらに、ココナッツオイルやMCTオイルの摂取によりケトン体生成は相乗的に増加します。

MCTオイルは60%のカプリル酸と40%のカプリン酸からなり短時間でケトン体を生成しますが、コオナッツオイルは60%の中鎖脂肪酸と40%の長鎖脂肪酸からなり、中鎖脂肪酸のうち76.5%はラウリン酸です。

ラウリン酸はカプリル酸やカプリン酸に比べると代謝が遅く、ゆっくりとケトン体を生成します。

実は、ココナッツオイルとMCTオイルを組み合わせ、ケトン体生成までの時間差と持続時間差をうまく使い長時間ケトン体を作用させることにより、認知症の治療が行われているのです。

(※図は宗田先生の『最強の油・MCTオイルで病気知らずの体になる!』から出典)

ケトン体による認知症治療については後日ブログ(第59回ブログ)に載せたいと思います。
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