第50回 和食は日本の長寿に寄与したか?

日本は世界一の長寿国

WHO世界保健統計2020年版によれば、男女合わせた平均寿命が最も長い国は日本と香港で85歳でした。2位はオーストラリア、マカオ、イタリア、シンガポール、スペイン、スイスで84歳。平均寿命が80歳を超えている国は41カ国で、ヨーロッパ地域が多い。世界全体の平均寿命は73歳。ランキング下位は中央アフリカ共和国やシエラレオネなどアフリカの国が多く、平均寿命は50代となっています。

和食がユネスコ無形文化遺産に

ユネスコは2013年10月に日本の伝統食「和食」を無形文化遺産に登録しました。

フランス料理や地中海料理、メキシ料理も無形文化遺産に認定されております。

日本は世界一の長寿国であり、和食のもつ低カロリーでヘルシーなイメージがこの長寿に貢献したように思われています。

文化遺産に登録された理由について、農林水産省は以下のように述べています。

1.多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
2.健康的な食生活を支える栄養バランス
3.自然の美しさや季節の移ろいの表現
4.正月などの年中行事との密接な関わり

1.3.4は同感するとしても、2,については同感しかねます。

和食が長寿に結び付く理由について、農林水産省は公式サイトで次のように述べています。

1. 日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情豊かな自然が広がっているため、各地で地域に根ざした多様な食材が用いられている。
2. 一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われている。
3. 「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿や肥満防止に役立っている。

和食の栄養学的考察

ラインを引いたところについて、考察してみましょう。

・和食とは米を中心とした一汁三菜食であり、高糖質の米が入った食事が果たしてヘルシーなのだろうか?
・食材にはイモ類や根菜類が多く使われ、味付けに砂糖が多く使われます(塩、酢、醤油、味噌が使われるのは言うまでもありませんが)。

従って、和食には多くの糖質が含まれ決してヘルシーではありません

・栄養バランスにしても、日本人の食事内容を調査して出されたもので、科学的な根拠に基づいておりません。みんなが食べているから栄養学的に正しいと。
・動物性油脂の少ない食生活が長寿や肥満防止に役立ってなどいません。むしろ、第33回のブログで紹介したように、糖質を減らし油脂(脂肪)を多く摂れば長寿や肥満防止に役立ちます。

日本人はなぜ長生き?

では、和食というむしろ体に良くないものを食している日本人がなぜ長生きなのでしょうか?

世界各国の平均寿命を見ると紛争中の国や内戦の国、経済的に困窮している途上国では平均寿命が短く、国情が安定していれば途上国でも平均寿命は長く、先進国では最も長い。

紛争中の国や内戦の国では食料は乏しく質も低く、青壮年から死んでいくため平均寿命は短くなるし、GDPの高い先進国では栄養豊富な食料が市場に溢れており、社会インフラや医療制度も整備されており、乳幼児期の死亡率は低下し、長寿者は増えるのです。

結局、国情が安定し、経済の発展があれば平均寿命は延びると言うことです。

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