第48回 果物について

果物は私たちに必要な食べ物か?

果物は、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で、糖質のうち果糖が大部分を占め、血糖値の上昇をもたらさず積極的に摂取すべきだと主張する人がいます。

実際、糖尿病学会が食事指導に用いる食品交換表でも1日1単位(80Kcal)摂取すべきとしております。

果物に含まれる果糖は、小腸から吸収されると直ちに肝臓に運ばれ、速やかに分解され血液中を彷徨うことを許しません。

果糖の代謝

肝臓では、果糖はグリセルアルデヒド→ピルビン酸/アセチルCoAとなり、最終的にTCAサイクルに入り、ATPを生み出します。すなわち、エネルギーを生み出すと言う訳です。

しかし、果物の過剰摂取は、果糖の過剰摂取となり、中間代謝物(乳酸、脂肪酸、コレステロール)の形で貯蔵され、肥満を起こすことになります。

肝臓での果糖の分解は速やかで、エチルアルコールが体内に入った時(お酒を飲んだ時)と同じ反応であり、果糖を「酔っ払わないアルコール」と呼ぶ所以です。

私たちの体は、果糖を「毒」と判断し、血管内に入りこむのを阻止して、健康を維持しているのです。

果糖とAGEs

果糖は、毒性の強いAGEs(終末糖化産物)を作ることでも知られています。

AGEsはタンパク質の糖化反応で作られる終末物質ですが、第39回のブログで述べたように老化に関わります。

果物を多く摂って、お肌ピチピチになるどころか、お肌ボロボロになるのです。

肝臓で果糖を処理する際、グリセルアルデヒドができますが、これが毒性の強いAGEsを作り、更には細胞内で大量の活性酸素を発生させると言われています。

果糖ブドウ糖液糖

私たちは、20世紀末頃から、果物を摂らなくても、果糖ブドウ糖液糖としていろんな食品から大量の果糖を知らないうちに摂り入れています。

トウモロコシやジャガイモに酵素を働かせると、ブドウ糖と果糖の混合液ができ、果糖の割合が50%以上90%の未満のものを果糖ブドウ糖液糖と呼びます。

これは、安価な甘味料として、炭酸飲料、スポーツドリンク、シリアル、ジャム、パン、ヨーグルト、ケチャップ、アイスクリーム等に使われています。

日本の麺つゆや焼き肉のたれ、鍋料理のスープの素、みりん風調味料、乳酸飲料にも使われているから驚きです。

食の安全と言って、値段は高いけれども国内産を選ぶ方がおられますが、国内産でも摂り過ぎると体に害悪を及ぼすものが氾濫しておりますので注意が必要です。

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