糖尿病食事療法のための食品交換表第7版
日本糖尿病学会の「糖尿病食事療法のための食品交換表第7版」を見てみましょう。
交換表では、栄養素を表1から表6に分類しております。
栄養指導を受けると患者さんは、まず1日の摂取カロリーを決められ、そのカロリーに沿って、栄養素の摂取単位が決められます。
1単位は80Kcalとなっており、例えば、患者さんの活動量や肥満度そして年齢を考慮して1日1200Kcalと決められたとしましょう。
その患者さんは表1から7単位、表2から1単位、表3から3単位、表4から1.5単位、表5、表6から1単位ずつ、そして調味料分0.5単位摂取するよう指導されます。
同じ表に含まれる食材は、同じ単位であれば交換が可能です。
例えば、ご飯軽く一杯食べるところ、半膳にし、その半膳分を同じ1単位のじゃがいも100gに変え、味噌汁に入れて食べるという具合です。
糖質を多く含む表1と表2の栄養素比率
ここで、カロリー別に、糖質を多く含む表1と表2の栄養素比率が何%になっているか計算してみましょう。
その前に、表1、表2に分類されるものを挙げておきます。
表1に分類されるものが、いわゆる主食とされるご飯、パン、麺類のほか、里芋、じゃがいも、さつまいもといった穀物類、とうもろこし、栗といった種実類、大豆以外の豆類です。
表2に分類されるものが、スイカ、ぶどう、バナナ、りんごといった果物類です。
1000Kcalでは 6.6/12.5=52.8%
1200Kcal では8/15=53.3%
1440Kcalでは 10/18=55.6%
1600Kcal では12/20=60.0%
1840Kcal では13/23=57.0%
2000Kcal では14/25=56.0% となります。
摂取カロリーが増えるほど糖質の栄養素比率が増加
表1と表2の食材は食物繊維が含まれるとはいえ高糖質であり、摂取カロリーが増えるほど56〜60%と糖質栄養素比率が増加しております。
産婦人科の宗田先生も指摘されているように、1日あたりのカロリーが1200Kcalから1840Kcalに増えた場合、食品比率の増加は表1だけで、糖質こそが血糖値を上げる唯一の栄養素ということを考えれば大いに矛盾しております。
私は、第29回のブログで、アメリカでの栄養指導では、糖質摂取比率40%が一般的だと述べましたが、その甲斐あって、1990年から2010年にかけての20年間で見事に糖尿合併症が減少しました。
日本糖尿病学会が主導する高糖質栄養指導が続く限り、日本での糖尿合併症は減らないでしょう。
(図は宗田先生の著書「ケトン体が人類を救う」から)
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