食べ物の糖質含有量を角砂糖に換算
食べ物、飲み物の糖質含有量を角砂糖（1個4g）に換算したら、いくつになるのでしょうか？
有名なhttp://www.sugarstacks.com/というサイトがありますので、一度ご覧になってください。
ただし、これはアメリカ版なので、日本人が普段口にするものとは馴染みのないものが多く含まれていることをお断りしておきます。
私は食べ物の糖質含有量を角砂糖に換算することは大変有用だと思っておりますが、これに批判的な意見を述べられる方がおります。
主張は以下の通り
1.ご飯と砂糖を同じ糖質として、ご飯を食べることのリスクを誇大に表現した情報は問題である。
2.糖質はエネルギー源として最も重要。
3.ご飯は多糖類（でんぷん）で、2糖類の砂糖（ショ糖）に比べると消化吸収が穏やかで、血糖値を上げにくい。
いずれも、ご飯を擁護しています。
よほど、ご飯が好きなんでしょうね！
それでは、反証していきます。
1.ご飯に含まれる糖質も砂糖に含まれる糖質も最終的にはブドウ糖になり小腸で吸収され血糖値の上昇をもたらしますから、糖質の含有量を把握することには意味があり、それを視覚的にわかりやすく角砂糖に換算し表現することは、糖質制限に大いに役立つと思います。糖尿病をはじめとした生活習慣病の治療のため、あるいは健康を維持するためには、たった茶碗一杯のご飯でも、食パン一枚でも、自分が口にする食べ物に含まれる糖質量を把握することは重要です。
2.ブドウ糖は脳や赤血球にとっては、不可欠なエネルギー源ではありますが、必ずしも食事の糖質から摂る必要はありません。私たちには、アミノ酸や脂質（グリセロール）から体内でブドウ糖を作ることができる糖新生という仕組みがあるからです。また、糖質は効率的なエネルギー源とは言えず、タンパク質、脂質を積極的に摂取し、本来の私たちのメインエンジンである脂肪酸-ケトン体経路をフル稼働すべきです。
3.ご飯は多糖類で消化吸収が穏やかで、血糖値を上げにくいと言っておられますが、下図をご覧になってください。
宗田先生の著書、「ケトン体が人類を救う〜糖質制限でなぜ健康になるのか」からお借りしました。
II型糖尿病のカステーラさんの実験結果です。
食パン、お茶漬け、砂糖水、素うどんを食べて、それぞれの場合の食後の血糖値の変化を見ています。
いずれも、ほぼ同じ糖質量（角砂糖17個分から糖質量は51〜55g程度と推定できます）です。
30分後で見れば、砂糖水はお茶漬けよりも高い血糖値ですが、60分後には同じになり、120分後には、お茶漬けの方がまだ血糖値が高い状態です。一方、食パンは、60分以降、血糖値は一番高いままで推移しております。
ご飯は血糖値を上げにくいとはとても言えない
この結果を見ると、ご飯（お茶漬け）は多糖類で消化吸収が穏やかで、血糖値を上げにくいとはとても言えません。
ご飯やパンは通常甘みを感じません。ご飯は漬物や塩辛、たらこなど塩気のあるものと相性が良くどんどん食事が進みます。
また、パンはジャムなどの甘いものと相性が良く、やはり、どんどんと食事が進みます。これが、知らず識らず、血糖値を上げることになるのです。
だからこそ、食べ物（ご飯）の糖質含有量を角砂糖に換算することは、血糖値を過度に上げないよう抑止的に働くのです！
GI値
グリセミック指数（glycemic index)：Gl値について、お話ししましょう。
グリセミック指数（glycemic index)とは、食品ごとの血糖値の上昇度合いを間接的に表現する数値で、1981年デビッドJジェンキンズ博士らが提唱しました。
すなわち、GI値＝「試料」摂取時の血糖値上昇曲線の面積/「ブドウ糖」摂取時の血糖値上昇曲線の面積×100となります。
GI値が70以上を高GI食品、55以下を低GI食品、55〜70を中間のGI食品とします。
GI値が高いと言うことは、血糖値が上がりやすい食品ということです。
以下、主な食品のGI値を示します。
ご覧の通り、ブドウ糖を100とした場合、精白米は84、食パンは91と高く、いずれも高GI食品です。
まさに、カステーラさんの実験が示す通りです。
GI 70以上 100 ブドウ糖 93 フランスパン 91 食パン 88 ビーフン・フォー 80〜85 餅 85 うどん 84 ご飯（精白米） 83 ロールパン 75 コーンフレーク 75 ベーグル
GI値 56〜69 68 クロワッサン 68 そうめん 65 パスタ 65 玄米フレーク 65 パイナップル 65 大麦 60 スイカ 58 ライ麦パン 50 全粒粉パン
GI値 55以下 55 ご飯（玄米） 55 そば 55 バナナ 54 ご飯（発芽玄米） 50 巨峰 45 オールブラン 44 リンゴ 35 キウイ 33 みかん 32 梨
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