いざ、糖質制限を行おうとしても、なかなか容易にはいきません。幾つか考えられる理由を挙げてみましょう。
糖質制限が難しい理由
1.糖質制限の実行は、単身生活(単身赴任)者は比較的容易ですが、家族がいるとなかなか難しい。配偶者の嗜好は無視できないし、特に小さなお子さんがいる家庭では食事を分けるのが難しい。お子さんたちは、ラーメンやカレーライス、回転寿司やファストフードのハンバーガーセットなど高糖質メニューが大好きです。しかし、糖尿病の予防(時には治療)や健康維持のために子供の頃から始める糖質制限の意義を家族みんなが理解すれば実行可能かもしれません。
一方、糖質制限をすれば必然的に高タンパク食、高脂肪食となりエンゲル係数(家計に占める食費代)が高くなります。実際、世界的な調査で、貧しい発展途上国では、炭水化物摂取比率が高く、富裕な先進国では、脂肪摂取比率が高いことがわかっています。
2.炭水化物は長い間(人類の歴史から見れば長くない)主食とされ、炭水化物を食べることによって完結するという食文化を大半の日本人は捨てることができません。和食であれば、最後に、ご飯をお味噌汁と漬物で食べて食事は完結するのです。
3.糖質制限食は、糖質を減らす代わりに高タンパク、高脂質となります。これらをかなりの量摂らないとカロリー不足に陥り極度に痩せることがあります。このような時は、ナッツやチーズ、適量の果物、オリーブオイルなどを活用します。
逆に、糖質制限しても思うように痩せない場合があります。
これは倹約遺伝子のせいで、基礎代謝が落ちている可能性があり、摂取カロリーの制限が必要です。
4.糖質は、タバコや酒、カフェインのように嗜好品であるということです。
嗜好品とは次の定義に当てはまるものを言います。
1.食べなくても生きていける。
2.薬ではない。
3.食べると精神的な満足感、幸福感が得られる。
4.食べられないとわかると寂しい感じがする。
しかし、嗜好品もちょっと踏み越えると、中毒や依存状態を起こします。
穀物は中毒性が強い
穀物の中でも、特に小麦には強い中毒性があると言われております。小麦に含まれるグルテンは「モルヒネ様ペプチド」または「グルテオモルフィン」と呼ばれるものに変化します。これはモルヒネが結合するのと同じ脳内の受容体に結合します。人によっては陶酔効果を生じ、中毒になることがあります。
グルテンは小麦の他に、ライ麦、大麦にも含まれており、小麦から作られる薄力粉、中力粉、強力粉はグルテンの含有量で分類されていて、もっとも多くグルテンを含んでいるのが強力粉で11.5%以上のグルテンが含まれています。
パンやピザのふわふわ感を出すためにはグルテン含有量が多い強力粉が使われます。
グルテンは麻薬と同じ様に中毒性があるためアメリカでは小麦を危険視しているそうです。
ジョコビッチ選手はグルテンアレルギーだった
2018年のウインブルドン選手権から3大会連続優勝したノバク・ジョコビッチ選手は、かつてはグルテンアレルギー「セリアック病」に悩まされ、なかなか上位に進めませんでした。
2020年は、危険行為で退場の試合がありましたが、グルテンフリーの食事と低糖質によるケトン体エンジンをフル稼働させパフォーマンスの高い試合を行なっております。
最後に、穀物の私たちの体に対する悪影響をまとめました。
穀物の私たちの体に対する悪影響
1.血糖値を乱高下させ、疲労感や感情の不安定をもたらし、集中力の低下や甘いものへの執着を引き起こす。これは、うつ病発症の引き金になることがある。
2.インスリンの増加をもたらし、肥満、糖尿病を引き起こす。
3.栄養価が高くない。
4.主要栄養素の消化を妨げるフィチン酸塩を含む。
5.穀物、特に小麦に含まれるグルテンやレクチンが腹痛や下痢といった消化器症状や喘息や湿疹などのアレルギー疾患を引き起こす。
6.グルテンとレクチンはタンパク質の消化を妨げる。
7.中毒になるおそれがある。
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