反応性低血糖について、順を追って解説して行きます。
糖尿病の判定基準
糖負荷試験については、ご存知の方が多いと思います。
半日程度絶食させられ、冷やした(炭酸入り)砂糖水を飲まされ(冷やしてないととても飲めない)、飲む前と飲んだ後の5回採血が行われる検査です。これで糖尿病の有無を判定するのですが、通常は2時間で検査は終了です。
正常パターンは、上の図のように血糖値とインスリン値はパラレルに動き、2時間もすれば血糖値は元の空腹時血糖値に戻ります。
ところが、驚く事にこの糖負荷試験を5時間もかけて行った病院(鹿児島県今村病院分院など)がありました。検査の対象になったボランテイアはみなさん糖尿病ではありません。
糖尿病ではないボランティアに糖負荷試験を行った結果
上の図をご覧ください。
ボランティア①の20歳台男性は血糖値とインスリン値はほぼパラレルな動きをしておりますが、120分から180分にかけて66、55、64mg/dlと低血糖を起こしております。
②の40歳台男性も血糖値とインスリン値はほぼパラレルな動きをしておりますが、180分で血糖値58mg/dlと低血糖を起こしております。
そして、上の図の③の50歳台男性の血糖値は60分後に208mg/dlまで上昇しておりますが、インスリンは思うように反応せず、血糖値の下降局面の144mg/dlの時にインスリン値はピークを迎え、その後血糖値は180分で44mg/dl、210分で63mg/dl、240分で70mg/dlと低血糖になっております。
反応性(機能性)低血糖
低血糖は糖尿病で血糖降下剤を使っている患者さんに起こるものであり、このように正常人(正常人だと思われる)に起こることなど考えにも及びませんでした。
これは普段から清涼飲料水などの糖質を多く摂り膵臓が疲弊し、更には糖新生の機能が低下することによって起こる現象とされ反応性(機能性)低血糖と呼ばれます。昼食後の眠気、だるさ、イライラ、やる気の喪失などは反応性低血糖かもしれません。
(今回は牧田先生の著書「医者が教える食事術」の図をお借りしております)
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