第9回のブログで紹介した一卵性双生児の実験(白澤卓二先生 体が生まれ変わるケトン体食事法)で、糖質制限にココナッツオイルを与えられた兄の体に4週間の間に以下のような変化が起こっておりました。
体重、BMI(肥満の指標 体重Kg/身長(m)の二乗 25を越えると肥満)、空腹時血糖、インスリン抵抗性(インスリンの効きやすさ)は順調に低下し、ケトン体値は2週目にピークを迎え6000μmol/L(基準値76μmol/L)を超えて上昇しておりました。
注目すべきは、ケトン体血中濃度と相反するように空腹時血糖値、HbA1c(過去1〜2ヶ月の血糖平均値 6.2%以下が正常)も変化しております。
ケトン体の上昇に伴い後者は下降し、両者の割合を足すとちょうど一定になるようバランスが取れているよう読み取れます。
したがって、ケトン体質になって血糖値が下がっても何も問題はありません。ブドウ糖から得ていたエネルギーの一部をケトン体に変えただけですから。
ケトン体の生成は、レプチン(本来は食欲を抑えるホルモンですが糖質の過食によりうまく働かなくなる)感受性を正常化して、兄の旺盛だった食欲も低下させたそうです。
ただ、この実験でのケトン体生成は、糖質制限だけではなくココナッツオイルの摂取も関わっていたことをおことわりしておきます。
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